京急蒲田駅直結の皮膚科、たけうち皮フ科クリニック

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皮膚科医療ブログ

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痛みを繰り返すしこり、化膿性汗腺炎

 脇の下や股、お尻、女性では胸にもできることのある、痛いしこりです。ニキビのような小さなプツで始まり、しこりとなり時々痛くなりながら大きくなります。稀に悪化し、膿がでてグジョグジョに治りにくくなることがあります。
 病名に化膿という言葉がついていますが原因は菌ではなく、化膿に似た腫れを起こしやすい毛穴の性格や、体格などが影響していると考えられています。したがって、化膿止めを塗ったり飲んだりしますが、それほど効きません。治りにくいようなら、しこりに直接注射したり切って取り除きます。当院でも、ステロイドと痛み止めの薬を混ぜて細い針を使って注射しています。小さければ、予約で取って縫います。
 複数のしこりがつながって大きくなったり、膿がしょっちゅう出る場合は手術や腕にする別の種類の注射が有効です。手術は、まとまった休みのとれるときに入院してやります。注射は1週間に1回打ち、自宅でも出来ます。このような治療をお考えの方には、やっている医療機関を紹介しています。
 欧米ではご家族に似た症状のある方がいらっしゃいますが、日本ではご家族に何人もみられることは稀です。

化膿性汗腺炎 簡単セルフチェック

2019-10-10 12:46:13

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運用の難しい予約制

 待たずに診察できる予約制は魅力的ですが、解決困難な数々の問題がつきまとうため、多くの医療機関が導入にこぎつけない現状があります。
 まず、予約時間通り診察が進まないことが常態化します。診察してみないと、どれだけ時間のかかる病気か分かりませんし、同じ病気でも詳しい説明を求める方もいらっしゃいます。『次の方がお待ちですので、今日の診察はこれで切り上げます』とはいきません。予約枠が一杯になると、一週間後の予約がとれずずっと先になってしまうとか、急に激しい痛みやかゆみを生じても当日診てもらえず、予約がとれるのは何日も先といったことも起こります。また、お年寄りに予約制は不評です。電話やインターネットを使って予約をとる操作に、不慣れだからです。一人でお住まいの認知症の方は少なくなく、今後増えることが予想されます。
 予約制がうまくいかない原因は、医療制度にあります。最高でも3割払うだけで誰でも同じ医療が受けられる国民皆保険、誰でもどこの病院でも診てもらえるフリーアクセス制、来院した患者さんを病院の都合で拒んではいけない応召の義務などです。外国人が聞いたら夢のような日本の医療のこれらの特長と、待たずに受けられる医療サービスの両立は極めて困難で、古くは『3時間待ちの3分診療』といわれ社会問題にもなりました。

2019-09-22 18:32:57

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水いぼはプールNGだった昭和

◆ はじめに
 昭和は、小さい子の水いぼは取らないとプールに入れてもらえない時代でした。しかし、その後『自然治癒傾向があり放置してよい』との小児科学会の考えが行き渡り、タオルなどを共有しなければプールに入れ、ジクジクしたりかゆみが無ければ放置し、普段通り過ごせるようになり長らく経ちます。昭和の親御さんを惑わした水いぼ対策は、時代の移ろいとともに朽ち果てもはや過去の遺残となりました。ある園医が『治りにくいことがあってもそんなに心配することは無い。ラッシュガードの徹底までしなくてもよろしいのではないか。ビート板を介してうつる可能性はあるかもしれないが一般的に少ないと思う』と言っているように、水いぼは感染してはいけない特別な病気ではありません。ましてや、お子様の水いぼがお友達にうつしうつされ迷惑をかけ合うなどという考えは、地震で動物園からライオンが逃げたというfake newsのような決して同調してはならない誤解に過ぎません。上述の園医が示唆するように、時代は、水いぼがある子も無い子と同じように、とりたてて問題にすることなく接するようになりました。
 水いぼは、肌を触れ合う集団生活を送る幼児には、一年を通じてみられます。夏にだけ、目についた水イボに負担のかかる対策を講じる意味などないのです。うつされたくなかったら、集団生活を送らぬ以外に有効な方法はなく、これが、『我が子にうつらぬよう取ってきてほしい、一緒にプールに入りたくないと言うのなら、(水イボのあるお子さんを問題にするのではなく)その親御さんのお子さんがプールに入らなければ済む話ではないか』とする、厚労省の感染症対策ガイドライン見直し検討委員も歴任した上述の園医(7)の論拠です。耐水性ばんそうこう等で覆ったり、見えている部分だけ水いぼを取るなどの対策を施すと、『自然治癒傾向があり放置してよい』との小児科学会の見解はないがしろにされ、感染対策を施さなければいけない病気との誤ったメッセージとして受けとめられ、それが尾ひれをつけながらあらぬ方向に一人歩きするのが問題です。

◆ プール禁止の公式見解は無い
 毎年夏になると、「水いぼを指摘されたが、対処する必要があるか」との相談が寄せられます。
 水いぼのためにプールを禁止する公式見解はなく(1-4, 9)、小児科学会は『自然治癒傾向があり放置してよい』と明言しています(9)。プールに入る時の一定のルールは無く、多数ある場合はタオルや浮輪を共有しない(9)、水いぼを衣類、包帯、耐水性ばんそ うこう等で覆う(2)との記載も見受けられます。放置して良いのですが、麻酔のシールを貼ってピンセットで取る方法もあります。当院でも取ることはありますが、ピンセットで取っても確実に治るとは限らず、以下の様な限界や疑問も投げかけられてきました。
 
① 水いぼを取ると治ることは経験されるが、取っても潜伏期のウイルスは残存するため期待される感染源の根絶効果は限定的である。取っても出てくることがあり、取って治るかどうかの予測はできない。
② 周囲の大人が見つけた水いぼ罹患児はその一部に過ぎず、感染経路は肌を接触する小児の集団生活にあるためプールのみを禁止しても感染拡大は阻止できない(5-6)。
③ 取れというのは恐怖を伴う(2)、残酷(7)。なぜなら、麻酔のシールを貼って痛くなくしても、子供達は取られるという恐怖に襲われますし、取って出た血を見ても怖がるからです。また、取った跡が、へこんだ跡として残ってしまうこともあります。あるお母さんは、『自分自身、子どもの時に水いぼを取られたことが、トラウマとして残っている』と話してくださいました。
 
◆ 多様な意見
 『自然治癒傾向があり放置してよい』(9, 10)と小児科学会が明言する一方で、『数が少ないうちに取るのがよい』(8)と考える医師もいます。また、プールは入って構わず(3)、少ないうちに取ったほうが良いとする医師もプールは入れると唱えています。さらには、『保護者の方が取ってきてほしい、一緒に入りたくないということでしたら、その親御さんの子どもが(プールに)入らなければいいのではないか』(7)との意見も聞かれます。確かに言われてみると、対策を講じたために水いぼが減ったり無くなったとする医学専門家の話も、逆に対策を講じない施設で明らかに水いぼが増えたという話も耳に入ってはきません。
 このように、水いぼをめぐる医師と保護者、園からの意見はほぼ出し尽くされた感があります(7-14)。そこから導き出された結論は、子どもにストレスのかかるほどのプールの禁止は行き過ぎ(15)、統一見解はこれから形成される(16)とする以上に踏み込んだものはなく、水いぼは当事者間で話し合って下さいというのが行政の立場のようです(15)。

◆ 水いぼにどのように向き合うか
 感染症ではあるが自然に治り、ウイルスがうつってから症状となって気がつくまで何週間も何か月もかかり、見つけた発疹が感染源の大半を占めるとも考えられず、感染経路を絶つ有効な方法もない水いぼに、私達はどのように向き合ったら良いのでしょうか。水いぼの次に揚げるような性格、
 
① 早期に取っても、特に範囲が広いと新しく出てくる傾向がある
② 自然治癒までの期間は多くの場合医療機関受診後、数週間から1年程度と一定しない。
③ イソジンを塗ると治ることがある。
 
は以前より知られていますし、園医がプールは禁止しないと明言しうまくいっている地域もあるようです(7)。中には、うつる病気と聞いて様々な誤解や不安を抱く方もいらっしゃるかもしれませんので、周囲の人全てが納得する解決策を診察室の中だけで打ち出すのはそもそも困難です(17)。ですから、解決の糸口をつかむには社会で話し合うこと(15、17)も大切ではないかと感じます。私は、小児科学会の『自然治癒傾向があり放置してよい』とする対応(9)が実状に合っていると考えています。
 子供がかっても特別視しない感染症はあります。手足口病がそれで、厚生労働省は感染してはいけない特別な病気ではない(18)と言っています。水いぼも、感染してはいけない特別な病気ではありません。

Blog:『水イボをプール/水遊びの前にみてもらってください』と言われました。


 参考文献・出典
 4.Molluscum Contagiosum: Centers for Disease Control and Prevention
 5.福井県鯖江市医師会(要原典) 2016年8月アクセス
 6.新潟県小児科医会 2016年8月アクセス
 7.財団法人母子健康協会 2016年8月アクセス
 8.みずいぼ 日本小児皮膚科学会 2016年12月アクセス
 9.学校、幼稚園、保育所において予防すべき感染症の解説 2018年改訂版、P38:日本小児科学会 2018年10月アクセス
10.北九州地区小児科医会 2017年4月アクセス
11.地域における幼稚園、保育園の伝染性軟属腫への対応と地区医師会の取り組みについて:日本臨床皮膚科医会雑誌:31(3)、401-408、2014.
12.
水いぼが止まらない:YOMIURI ONLINE、発言小町、2016年12月アクセス
13.子供の水いぼ、プールについて:YOMIURI ONLINE、発言小町、2016年12月アクセス
14.水いぼ、どうしたらいい?:朝日新聞デジタル apital、2016年12月アクセス
15.厚生省保育課(要原典)
16.委員会報告「学校感染症 第三種 その他の感染症:皮膚の学校感染症とプールに関する統一見解に関する解説」に関する質問に対する回答:日本皮膚科学会雑誌:125(10)、1919、2015.
17.
水いぼ摘除の前に考えるべきこと 日本小児科医会乳幼児学校保健委員会委員長に聞く 2019年7月アクセス
18.手足口病に関するQ&A:厚生労働省、2018年9月アクセス


 

 
 

2019-07-30 07:58:00

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殺虫剤が効かなくなったトコジラミ

 普通の殺虫剤が効かなくなったトコジラミが、知らずに旅行者のカバンなどについて広がり問題になっています。かゆい発疹がトコジラミかどうかは、虫を捕まえたり糞を家の中で見つけることが大切で、かゆい発疹をみただけでは専門家でもはっきりさせるのは困難です。
 トコジラミは昼間は物陰に潜んでいますので、写真1)にあるように寝室の天井から床下まで丁寧に調べます。畳や絨毯はめくり、ベッドは敷マットと枠組みの特に頭の部分をよく調べます2, 3)。ベッドが接触していれば壁も調べ、さらに一日中暗い、テレビの下、本棚、本、タンスの引き出しの裏側の隅、壁に貼ってあるカレンダーや額縁の裏側、剥がれた壁紙の裏側、天井板の継ぎ目などからも糞や生虫が見つかることがあります2, 3)。家具は移動して、探します2)
 また、夜寝てから人を刺しに出てきた虫を捕まえるのも確実です。ベッドに入り部屋の電気を消して20~30分してから起きて、ベッドの上を這う虫を捕まえ、袋にいれた虫を持って皮膚科を受診します。
 このようにしてトコジラミを見つけたら、東京都は専門業者に見てもらい駆除するよう勧めています3)。トコジラミの隠れ家を漏れなく見つけ出しての駆除は、素人には的確にできない恐れがあるからです4)。代表的な業者に、シー・アイ・シーがあります。ご家庭で駆除をする場合は、最近のトコジラミは従来効いていた薬が効かなくなってきていますので、トコジラミ ゴキブリ アースバルサンまちぶせスプレーといったプロボスクルまたはイミプロトリン、メトキサジアゾンの入った殺虫剤使います。
 このように、トコジラミは見つけ出すのも駆除も厄介です。しかし、刺されても熱がでたり虫から菌が体にうつることはありませんし、トコジラミがいたからといって不潔にしていたわけでもありません。トコジラミは夜寝ている人を刺し、刺された時に痛みは感じません。一番最初に刺されたときは痒みは出ず、刺され続けていると体が反応してかゆみを感じるようになります。

火の付いたようなかゆみの荒波が… 米国発「南京虫」被害が国内で急増中 Aera dot.
 

       
      マンションにお住まいの患者さんが捕まえたトコジラミ
      小さいゴキブリに似ています シラミではなくカメムシの仲間です

1) 公益社団法人日本ペストコントロール協会:衛生動物に関する最近の動向:2018年1月アクセス.
2) 渡辺護:トコジラミの復活、駆除は難しい!!:環動昆 21(3):187 -193、2010.
3) 東京都福祉保健局健康安全部環境保健衛生課 平成25年3月発行 登録番号(24)355:http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kankyo/eisei/yomimono/nezukon/tokojirami_leaf.files/tokojirami.pdf:2018年1月アクセス.
4) 厚生労働省:トコジラミとその効果的な防除法:http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000074552.pdf2018年1月アクセス.

2019-06-25 08:44:45

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単純ヘルペスが出そうに感じたら薬を飲む、Patient initiated therapy

 繰り返すヘルペスは、早目の飲み薬が効きます。ウイルスの増殖は水ぶくれになる前に既に始まっており、膿やかさぶたになったらピークは過ぎているからです。薬は早ければその分よく効きますので、出そうだなと感じたらすぐ飲めるよう、あらかじめ薬を出せるようになっています。もらった薬は普段から持ち歩き、来るなと感じたらすぐに飲みます。そして、その半日後にもう1回飲むだけでヘルペスが出ないで済みます。あるいは軽くて済みます。気がついたときには既に出ているという方も、すぐ飲めば軽くて済み便利です。ヘルペスが繰り返す場所は問いません。この飲み方はPatient initiated therapy:PITと呼ばれ、海外では何十年も前から行われてきました。
 いつものヘルペスが診察時に出ていたら、今すぐ飲む分と、次回再発時に飲む分の両方の薬を処方できます。薬を出してもらうには、単純ヘルペスに間違いないという診察した医師の判断が必要です。『口が痛くなりネットに出ているヘルペスに似ている』とか、『人からヘルペスだと言われた』というお話しだけでは薬は出せません。それが単純ヘルペスと限らないからです。

単純ヘルペスについて詳しくはこちら

2019-04-06 08:47:26

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『水イボを、みてもらってきてください』と言われました

 『(水いぼが)うつるものかどうか、水遊びができるよう、みてもらってきてください』とほのめかされたが、どうしたらよいかと相談を受けることがあります。水いぼはウイルスが原因で、幼児が集団で生活すると知らずにうつし合っている、あっても何か月も気づかないこともある、誰でもかかりうるごくありふれた症状です。原因ウイルスに効く薬は無く、『自然治癒傾向があり放置してよい』と小児科学会が言うように、一時的に数が増えても自然と治るのを数か月から1年前後かけて待ちます。
 水いぼがあっても、プールは入れるとする公式見解があります。しかし、実際の対応は施設によって異なり、何も言われないところから、取らないと水遊びができなかったり、プールに入れてもらえないところまであります。様々な相談を受けますが、ある園医が『治りにくいことがあってもそんなに心配することは無い』と言っているように、水いぼは感染してはいけない特別な病気ではありません。ましてや、お子様の水いぼがお友達にうつしうつされ迷惑をかけ合うなどという考えは、地震で動物園からライオンが逃げたというfake newsのような決して同調してはならない誤解に過ぎません。上述の園医が示唆するように、水いぼがある子も無い子と同じように、とりたてて問題にすることなく接する時代になりました。
 事の始まりは、園で、『水いぼがあると困る』と感じるニュアンスのことを言われます。しかし、『水遊びができるようにこうして下さい』とは言われないので、病院に聞きに行きます。ところが医師は、『放置してよい』と何の役にも立たないこと言うので、困り果てるというわけです。これを解決するには防水テープを貼ればよいのか、ラッシュガードを着ればよいのか、取らないと駄目なのか、おかしいとは思いますが親が園に忖度する以外ありません。
 このようなおかしなことが起こる背景には、あってはならぬことですが、我が子に水いぼがうつらぬよう厳格な感染対策が必要との根拠のない誤解があります。そのため園としては、保護者から苦情が来ないよう対策を講ぜざるを得ないのです。このような事態の収拾を図ろうと、厚労省の感染症対策ガイドライン見直し検討委員も歴任した上述の園医は、『保護者の方が水いぼは取ってきてほしい、一緒にプールに入りたくないということなら、その親御さんの子どもが(プールに)入らなければ済む話ではないか。ラッシュガードを徹底する保育園もあるが、そこまでやらなくてもよろしいのではないか。ビート板を介してうつる可能性はあるかもしれないが、一般的に少ないと思う』と発言しています。つまり、水いぼがあろうと無かろうと同じように接するべきと、いみじくも啓蒙しているのです。良かれと思い、耐水性ばんそうこう等で覆ったり、見えている部分だけ水いぼを取るなどの対策を施すと、『自然治癒傾向があり放置してよい』との小児科学会の見解はないがしろにされ、症状のある人に感染対策を施さなければいけない病気との誤ったメッセージとして受けとめられ、それが尾ひれをつけながらあらぬ方向に一人歩きするのが問題です。
 ひるがえって、過去には水いぼは取らないと水遊びをさせてもらえなかった時代がありました。今でも、事情により保護者が取ると決めた場合は、麻酔のテープを貼って当院では取っています(お顔はお願いされても取っていません。大きいから、何か月も消えないから健康のため取った方が良いということもありません)。ただし、当時も、『肌から血が出る様な可哀想なことはさせたくない』とする親御さんは多かったように思えます。最近は減りましたが、どこの病院に行っても治らず、水遊びをさせてもらえずひと夏を過ごす子供を抱えて、何とかならないかと夫婦であるいは祖母と一緒に来院される方を、私を含め多くの医師は毎年夏になると診察してきました。このような、そのつもりが無くても、結果的に水いぼのある方に無用な負担を強いるのは、もう終わりにしたいものです。
 いつまでも決め手に欠く方法の不毛な議論が、それも人目にさらされる夏の間に限って繰り返されるのは、うつることに対する根拠のない不安と誤解に振り回されているだけなことに、そろそろ社会は気づくべきです。水いぼを覆ったりプール禁止にしても効果は無く、毎年新たに水いぼになる子がいたことは医師も保育者も良く知っています。取ると減って気が楽になりますが、多くの場合しばらくすると別のところに新しく出てきますし、ハトムギで治ったとおっしゃるお母さんに見せてもらったことがありますが、気づかないだけで他の場所に新たにできており治っていませんでした。水イボへの有効性が科学的に証明された方法はなく、幼児が集団生活を送れば感染は避けられないのです。
 『水いぼがあるとプールに入れないのですか』と疑問を抱く保護者の方は少なくなく、ごもっともではありますが、残念ながら医療機関として個別のケースごとに保護者の方の後ろ盾になり、プールにいれてもらえるよう園と交渉はしていません。園が、公にはできない上述のような事情をかかえているかもしれないからです。
 

2019-03-24 09:24:29

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アトピーの注射 デュピルマブ

【よく効くのに内臓への負担がない】 注射のデュピルマブは、 激しいかゆみと激しい発疹を速やかに良くします。最初打つと3日目から楽になり始め、4か月の時点で発疹が1割まで減る人は4割弱。優れた効果に加え注射なのに肌がしっとりし、内臓への負担や抵抗力を落とす副作用がないのも特長です。15才から使え、未成年の方は保護者とご一緒に受診してください。注意する点としては、喘息治療中の方は、注射開始後一時的に喘息の症状が無くなっても内科受診を止めずに続ける必要があります。また、注射を始めて何か月もたってから結膜炎になることがあります。多くは一時的な目のむずがゆさ程度の軽さですが、まれに目が赤くなりゴロゴロし眼科にかかっても何週間も治らないこともあります。

【よく効くが対症療法】 良く効きますが、対症療法であり病気を根本から治す薬ではありません。このため、2割の皮疹は良くなり切らず、塗り薬の併用が必須です
日本皮膚科学会のガイドラインに準拠した、標準治療を受けていることが必須です(厚生労働省の最適使用推進ガイドラインに記載されています)。提供されていない場合はご説明しますので、標準治療を理解していることが必要です。最初の1回でぐんと良くなり、2回目はそれ程良くならず、3回目は『これ以上良くならない』と感じる効き方をします。良くならない部分は、ステロイドとタクロリムスの塗り薬を使い分けて治します。

【注射を打てる条件・受診当日に用意するもの・いつまで打つか】 注射を打つには、顔や首あるいはある程度の範囲に激しい皮疹があるといった皮膚科学的要件を満たす必要があります。このような条件を満たさないと、激しい症状があっても受診当日に注射を打てず、条件が満たされるのを待って後日注射をすることもあります。いつまで注射を続けるか、止めるとどうなるか、打ったり打たなかったりできるかについては医師にお尋ねください。
 今まで使ってきた薬がわかるものがあればお持ちください。薬手帳、薬局でもらった説明書、無ければ今あるチューブや容器でも結構です。予約は不要で、条件を満たせば受診当日に注射しています。

【高額な薬代】 費用は、2週ごとの注射代は3割負担の方で1回約2万5千円、初回のみ2倍の量を投与するため約5万円かかります。ご加入の健康保険によっては、付加給付により月の自己負担額が2万円から2万5千円で済みます(詳しくはこちらをご覧ください)。現金のみのお支払いで、あいにくカードは扱っていません。

【自己注射の手順】 自己注射も、導入前に2回以上の説明を受けるなどの決まりを満たせば、必要な資材は提供しますので行えます。自宅で使う注射薬は院内でお渡しすることも、処方箋を発行し調剤薬局で受け取ることもできます。ただし、デュピクセントを取り扱わない調剤薬局もありますので、事前にご自身でご確認ください。受け取った注射は冷蔵庫で保管しますが、常温で長期間放置しない限り効果は失われないようです。建物の点検などで停電が予定される際は、念のため保冷剤で冷やしておいて下さい。一旦受け取った薬剤の返品は、天災を含め理由の如何にかかわらずお受けできませんことを予めご了承ください。

【病院をかえるときには紹介状をご用意しています】 引っ越しなどで別の病院でデュピクセントを継続する際は、診療情報提供書(いわゆる紹介状)を当院では書いています。次かかる病院が、薬代を保険請求するのに『投与開始時の、前治療要件と疾患活動性の数値』を必要とするからです。

【デュピクセントほど高くない、代わりの薬】 同じくらい効く飲み薬に、1週間約1,500円とより手ごろなシクロスポリンがあります。3~5日飲むと効果が実感できますので、その後は毎日飲むことも、悪い時だけ飲むこともできます。副作用として腎臓への負担と高血圧がありますが、40歳代までの方が数週間飲んで副作用が出ることはまずありません。また、菌への抵抗力は弱める方に働きますので、風邪気味だったり体調が悪い時には止めてください。このようなときに飲み続けると、突然38℃の熱が出たりします。毎日3か月連続して飲んだら2週間休むよう勧められています。飲み薬のシクロスポリンから注射のデュピルマブに変えることも、その逆もできます。

● アトピーについて詳しくはこちら

アトピー性皮膚炎に10年ぶりの新薬 その実力は? 日経ヘルスUP

アトピー性皮膚炎は注射でかゆみを劇的に軽減 10年ぶり「新薬」の実力とは? Aera.dot

難治アトピーに初のバイオ医薬品 適切な治療法、改善への第一歩 産経新聞

アトピー新薬の効果高いが…未来を変えるアンメット・メディカル・ニーズ最前線 日経ヘルスUP

アトピーと生きるということ 「心の持ちよう」という薬(生後2か月からアトピーの記者の手記) 朝日新聞

アトピー新薬を記者が使う 生活は改善も高い注射代 日経スタイル
 

2019-02-20 16:00:27

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りんご病とは

 りんご病は、子どものほっぺたや腕の外側や、お尻から太ももが赤くなる病気です。原因はウイルスですが、赤くなった時にはかかってから時間がたち治り、ウイルスはもはや体から出ていません。人にはうつらないため、りんご病でも幼稚園や保育園に通えます。保育園や幼稚園を管轄する厚生労働者や文部科学省が、そう言っています。元気なら、家で過ごすなど隔離する意味はありません。
 りんご病になる前、ウイルスに感染したときに熱が出る人もいますが、全く症状が出ないこともあります。また、ウイルスに感染してもリンゴ病にならないこともあります。このように、元気な人でもりんご病のウイルスを出していることがあり、インフルエンザと違い誰がウイルスに感染しているかは分かりません。手洗いを心がけ、妊婦さんは子どもの送迎時等に感染防止策を講じます。

保育所における感染症対策ガイドライン 2018 年改訂版、厚生労働省、P55
日本学校保険協会 学校において予防すべき感染症の解説、日本学校保健会、P53
学校、幼稚園、保育所において予防すべき感染症の解説、日本小児科学会、P26   
伝染性紅斑がはやっています 東京都感染情報センター 2018年11月
りんご病 東京都子供医療ガイド
伝染性紅斑とは 国立感染症研究所

2019-01-16 21:41:35

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アトピーを悪化させた少女のストレス

アトピーでかかった少女は、終始物分かりの良さそうな面持ちだった。一緒に診察室に入ってきたお母さんが、『なぜ治らないのか』としかりつけるような口調なのとは対照的だった。非難しているのは、病気を治せない医師の無力さとも、医学の無力さとも聞こえた。矛先を向けられた私が、たじたじになりながら病気の説明した2週間後、少女は一人でやってきた。あれ程ひどかったアトピーは、うそのように良くなっている。『今日はお母さんと一緒じゃないの』と聞くと、『お母さんとお父さん、離婚した』と短く答えた。人知れず、アトピーが悪くなるほどのストレスを一人で抱えていたのだ。それを伝えに来たのだろうか。

2018-11-07 21:40:44

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帯状疱疹の予防ワクチン

 帯状疱疹は80歳までに3人に1人がかかる、神経痛を残しやすい病気です。高齢になるほど症状が激しくなり、50才以上で2割の方に神経痛が3か月以上続きます。しかし、2016年にワクチンが使えるようになり、帯状疱疹は予防できる病気になりました(帯状疱疹ワクチンの導入について 国立感染症研究所)。
 予防に勝る治療は無い、との考えが医学界にはあります。予防ワクチンを打つと帯状疱疹になりにくくなり、なっても症状は軽く神経痛の発生率も半減します。このワクチンの恩恵には既に多くの人があずかっており、日本に先立つ2006年からアメリカでは使われています。安全性は高く、帯状疱疹のワクチンは、1歳になると全ての子が打っている水ぼうそうのワクチンと同じものです。効果と安全性の高さより、専門家は60歳以上の方への接種を勧めています。

◆ ワクチンを打てる方
  50歳以上の方。ステロイドや免疫抑制剤を飲んでいる方は打てません(この様な方も打てるワクチンが別に承認されました)。
◆ 効果
  帯状疱疹の発症率は半減し、発症しても症状は軽く済みます。
  3か月以上続く痛みの発症率は、6割以上減ります。
  効果は10年もちます。8年を越えると無くなりはしませんが、帯状疱疹の発症率を減らす効果と激しい痛みを起こしにくくする効果は多少落ちます。
◆ 副作用
  注射部位の発赤(約44%)、腫れ(約17%)。
  いずれも、インフルエンザのワクチンのように自然とひきます。
◆ 費用
  6,000円(診察料込み)。予約不要。

50才を過ぎたら気をつけたい帯状疱疹 阪大微生物病研究会

帯状疱疹、高齢化で増加確実 ワクチン定期接種を検討  産経ニュース

名古屋市、帯状疱疹予防接種助成へ 2020年から 全国初  中日新聞
 
帯状疱疹 ワクチンで予防 日本経済新聞
 

2018-11-03 18:39:04

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