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光老化をご存知ですか

光老化をご存知ですか

1.皮膚の老化 ―光老化と経年老化―
 しわやシミは年齢とともに顔に増えますが、このような変化を光老化と呼びます。光老化の原因は、長年にわたる赤くならない程度の紫外線暴露です。夏に赤く日焼けをしなくても、紫外線に当たるたびに生じてきた目に見えないような変化が溜まって、顔や腕などにしわやシミ、くすみやなどができます。一方、日光に当たることのないお尻の皮膚には光老化は起こらず、薄いハリの無い経年老化とよばれる変化を来します。
 
2.光老化の原因と対策
 このにっくき紫外線は目に見えず、波長によってUVAとUVBに分けられます。UVAとUVBは生物学的特性が異なり、赤い日焼けを起こすのはUVBです。UVAは赤くなりませんが、雲やガラスも通ってしまいます。なんとかして顔に紫外線を当てず、お尻と同じ老化でくい止めたいと誰しもが考えますがそれは無理な相談です。日傘や帽子をかぶったり、日焼け止めクリーム、サンスクリーンを塗って紫外線を遮断するのが現実的です。私は、屋外の長時間のレジャーや、海に行くなど普段衣服で覆われている肌をさらす時には、UVAとUVBの両方を遮断するサンスクリーンを塗っています。サンスクリーンを塗っても100%紫外線をブロックすることはできなく、私は夏に羽田から釣り船に乗りアクアラインを見ながらキスを釣ったときに、2時間に1回サンスクリーンをべとべとに塗りましたが、それでもほのかに赤くなりました。ゴルフ場で、隣のテーブルに座ったプロゴルファーの腕が目に入ったことがありますが、赤銅色の激しい光老化を起こしていました。紫外線の影響から皮膚を守るには、手間はかかりますがサンスクリーンや帽子を活用したいものです。
 光老化を起こした皮膚の表面をレーザーなどで削ったり、見えないくらいの小さな傷を作って細胞やコラーゲン等を入れ替えると皮膚が若返り、アンチエイジングとしてもてはやされています。傷が目立たず日本人よりも激しい施術に耐えられる白人では、レーザーで顔の皮膚を薄く削ると驚くほどの若返り効果が得られます。

3.紫外線と癌
 紫外線の健康に対する最も悪い影響として、発癌作用があげられます。発癌作用の発端は、紫外線が直接あるいは活性酸素を介してDNAを傷つけることに始まります。DNAが傷ついてもすぐに正常な状態に修復するよう体はできていますが、毎日作られているDNAの傷は年とともに修繕しきれなくなることもでてきます。このDNAの傷が溜まると皮膚癌になります。オーストラリは日本よりも皮膚癌が若い人にも多く、国を挙げて帽子をかぶったりサンスクリーンの使用を勧めるなどの対策を講じています。オーストラリアで皮膚癌が大きな問題となっているのは、緯度が低く紫外線が強いところに紫外線に敏感な白人が多く住んでいるからです。日本では紫外線はオーストラリアより弱く、さらに有色人種である日本人は紫外線の影響を受けにくいので、日常日光に当たることによる発癌の可能性に過敏になる必要は無いとされています。
 紫外線は皮膚の浅いところまでしか届かないため、放射線などと異なり、たとえ強い日差しにさらされても皮膚の中ほどから下に癌を発生させることはできません。

2016-08-18 12:16:04

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