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アトピー性皮膚炎治療薬であるタクロリムスを、ステロイドや光線療法と並ぶ20世紀の皮膚科3大発明の一つと呼んだのは、百科事典の様に厚い皮膚科の医学書を編集したアメリカの著名な皮膚科医です。その開発名はFK506。そのアメリカ人の大御所、『Fは開発した日本の製薬会社、藤沢薬品のF、506はロットナンバーというのはすぐ分かるが、Kは何の略か。』とお尋ねになりました。Kとは開発の頭文字だそうで、アメリカ人には見当もつくはずがありません。 アメリカでは新薬の認可にあたって、その薬を使った患者さんが公聴会で実際に使ってみた効果を話すんだそうです。アトピーの子をもつアメリカ人のお母さんは、アトピーで荒れた我が子の肌がきれいになった様子を話し、タクロリムスを『Life-changing drug(人生を変える薬)』と表現したそうです。タクロリムスのチューブの大きさは日本には5gしかありませんが、海外の規格は歯磨きチューブの様な30g、60g、100g入りであり、それぞれ5g換算で6本、12本、20本に相当します。あるお母さんは、『繰り返すかゆい湿疹をステロイドで一旦治し切ってから、タクロリムスを広めにしばらく塗り続けたら、繰り返さなくなり搔かなくもなった』とおっしゃっていました。プロトピックを止めると時々かゆくなるようなら、ステロイドで治した後に、週2回プロトピックを塗り続けるプロアクティブ療法も効果的です。 一旦良くなったかゆみや皮膚炎を繰り返しにくくする、それまでの治療薬であるステロイドには無かった効果を持つタクロリムスは、20世紀のアトピーの治療を大きく前進させたのです。 Blog:アトピーを治療する子供のつぶやき Blog:大人もなるようになった 子供の病気だったアトピー
2016-08-20 17:11:20
アトピー性皮膚炎