京急蒲田駅直結の皮膚科、たけうち皮フ科クリニック

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化粧かぶれを皮膚科医はどのように見ているか

化粧かぶれを皮膚科医はどのように見ているか

 お勧めの化粧品の銘柄などは大切であっても、公的な保険診療では説明できかねますことをご理解ください。疾病の治療を目的としない保湿剤の処方を、国は認めません。

 目次 
保湿成分の取り過ぎが原因の大半
洗顔後に保湿が必要と感じる肌の乾燥は、化粧品でこすり角質を傷めた結果
保湿はして良く、大切なのは保湿を必要と感じない化粧
鍵を握る化粧品の数と擦る回数
繰り返さなくする薬は無い
繰り返すたびに効く薬は、どこの病院に行ってもなぜ認めてもらえないのか
化粧品の肌への浸透|行政・業界・学術の見かた
それでも繰り返すときは

保湿成分の取り過ぎが原因の大半
 化粧品が合わない、化粧水がしみる、乾燥するといった訴えのほとんどは、皮膚の保湿成分が失われて起きた刺激によるかぶれです(接触皮膚炎診療ガイドライン 2020:日本皮膚科学会雑誌:130,523-67,2020)。クレンジングやクリームで擦るたびに、保湿成分は失われていきます。突っ張った肌を保湿しても、正常には戻っていません。化粧品や皮膚に原因があることはむしろ稀で、皿洗いや掃除で手が荒れるのと同じことを、無意識のうちに健康な顔の皮膚に起こしているのです。起こりやすいところは、皮膚の薄いまぶた、こすり易い頬、口紅を落とす唇のふちで、利き手側の方が症状が激しい傾向にあります。念入りに洗うのは美徳、とは限らないのです。
まれに起こる、化粧品の成分に対するアレルギー性のかぶれについては、一番最後の「それでも繰り返すときは」で触れてあります。

■ 洗顔後に保湿が必要と感じる肌の乾燥は、化粧品でこすり角質を傷めた結果
 洗顔後の乾燥の訴えは、クリームなどの化粧品による擦りすぎや過剰な洗浄が原因と専門家は捉えています。乾燥して保湿がそれも顔に限って必要などということは、治療していないアトピーでもない限りそうそう起こりません。もともと正常な角質を、良かれと思って化粧等で擦って傷め、敏感肌にしているだけです。このような訴えをされる方は、女性専門家によると、使っている化粧品の数がとにかく多いそうです。

保湿はして良く、大切なのは保湿を必要と感じない化粧
 洗顔後の肌のつっぱりや乾燥は、すぐに保湿してうるおいを与えれば元に戻り、健康な皮膚は維持されているとの考えがあるようです。しかし、一旦保湿成分を失い皮膚のバリア機能が障害されると、直後の保湿でつっぱらなくしても、肌の生理機能は正常に戻っていないことに理解が必要です。保湿するのは差し支えありませんが、保湿を必要と感じない程度のクレンジングに留めクリームで擦らないことが極めて大切です。実際、クレンジングで毛穴の中の汚れや化粧を落とすのを止めたら、それまでの皮膚トラブルが起こらなくなった方がいらっしゃいました。

鍵を握る化粧品の数と擦る回数
 乾燥を何とかしたいという方は、しっとりさせようと化粧水や乳液、クリーム等を塗り重ね、そのたびに皮膚を擦るため逆に保湿成分が奪われ、更に塗ったものをしっかり落とそうとしっかりと洗浄するという、乾燥の悪循環に気づかずに陥っています。擦り方が優しく丁寧であっても、時間をかければ同じことが起こります。その解決策として、化粧品の数を減らし皮膚を擦る回数を減らすことを医学専門家は強調しています。
 女性誌、化粧品販売員やネット上の説明にあるスキンケアをしているが、乾燥や肌荒れを起こすと訴えて皮膚科を受診される方は、このような悪循環に陥っています 。中学、高校生の時に無かった乾燥が、化粧をするようになって起こったのも、リフトアップを期待したマッサージで起こした肌トラブルも、同様に擦って保湿成分を奪ったのが原因です。新しい化粧品でも紫外線でもないのです。

繰り返さなくする薬は無い
 手荒れが皿洗いを止めれば治るように、化粧を控えて肌を休ませれば自然と治ります。擦る負担をかけながら治す方法や薬はなく、病気ではありませんので保険診療を支払基金は認めません。化粧方法の指導や販売員の発言に対するコメントも、保険診療の対象外です。

繰り返すたびに効く薬は、どこの病院に行ってもなぜ認めてもらえないのか
 目の回りや、頬や唇のふちなどが荒れるたびに弱いステロイドを薄く塗り、赤みや肌荒れを長い間かけて悪化させ、ドクターショッピングを続ける方がいらっしゃいます。効く薬はありませんので、ステロイドを必要としない化粧方法に改めて、何か月もかけて自然と治るのを待つしかありません。
 このような繰り返す肌荒れのほとんどは病気が原因ではありませんので、悪くなった時用の薬の事前処方を健康保険は認めません。仕事で化粧をしなければならない、水で洗っただけでもつっぱる、海外赴任のため受診できない、ほかの病院は出してくれたといったことは、処方する正当な理由にあたりません。病院で3割支払った残り7割の医療費は税金等で賄われており、血税を病気ではない化粧トラブルに使うことに国民の理解は得られないというのがその主旨です。

化粧品の肌への浸透|行政・業界・学術の見かた
 優しくなじませるほどに肌の奥深くに浸透し魅力あふれる効果が醸し出されるといったことは、夢見心地に浮かれることなく理性をもってお楽しみ下さい。皮膚を介する呼吸や栄養摂取などはありえないとする、専門家のコメントが参考になると思います。化粧品等の広告においては、問題となる虚偽・誇大広告が目に付くとの薬事行政機関からの指摘を受け化粧品が厚さ0.1mmに満たない角層よりも深く浸透するかのような印象を与える広告表現を、日本化粧品工業連合会は不適切としています。化粧の情報源が女性誌やカリスマのブログといった広告収入など営利を背景とする媒体に偏り、疾病ではないため医学専門家が介入せず、介入しても信用されず啓発が進まないことが指摘されています。皮膚科重鎮の思うところも同様に俗世間と一線を画し、「夢を売るのが化粧」、「皮膚とお肌は別の臓器」と真理をついています。

それでも繰り返すときは
 化粧品の成分にアレルギー性にかぶれることが稀ながらあり、この場合はかぶれの原因を明らかにして治す保険診療の対象です。アレルギー性にかぶれているかどうか分かる、簡単な方法があります。疑わしい化粧品を、肘の内側に毎日塗ってみてください。赤くなったら、同じことが顔に起こったのかもしれませんので、スマホに撮って皮膚科を受診して下さい。それまで大丈夫でも、思わぬものにかぶれていることがあります。かぶれるときとかぶれないときがあったら、アレルギー性のかぶれではありません。

2020-08-09 16:47:17

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