京急蒲田駅直結の皮膚科、たけうち皮フ科クリニック
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水銀体温計が家庭にあった昭和
水銀体温計が家庭にあった昭和
30年前まで、水銀体温計はどこの家庭にもありました。ガラスで作られた水銀体温計の表面はつるつるしており、わきの下に挟んだつもりがいつの間にか滑り落ち、気が付いたら服の下で割れていたなんてことが起こりました。体温を測り終えると、昇った水銀柱を体温計を振って下げるのですが、不注意で落として割り水銀が流れ出ることもありました。そんな当時の皮膚科には、お腹や太ももの赤い不規則な形の斑点で受診する方が時々いらっしゃいました。身に覚えの無い、くっきりとした毒々しいまでに赤い斑点が、ある日突然現れたと言うのです。この皮疹を見た皮膚科医が、体温計を割ったことを言い当てると、すぐさま患者さんは納得します。水銀によるかぶれだということを。最新の体温計は、赤外線を感じて額に当てるだけで体温が瞬時に表示されることを思うと、隔世の感があります。水銀かぶれは、遠くなった昭和の、今は無き皮膚疾患になったのです。
2016-08-18 12:06:05
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