ビオレu泡(花王) キュレル(花王) コラージュ(持田ヘルスケア) NOV セバメド(ロート製薬) アトピコ(大島椿) ドゥーエ(資生堂) アクセーヌ ラロッシュポゼ
Q 入浴剤を使いたいのですが、どのような商品を選んだらよいですか。
A 保湿性のある下記のようなものが良く、硫黄が入っているものは肌をかさつかせます。
コラージュDメディパワー保湿入浴剤(持田ヘルスケア) ミノン薬用保湿入浴剤(第一三共ヘルスケア)
Q ステロイドで良くしても、また元に戻ります。
A 一見良くしても繰り返すのは、目に見えない皮膚炎が治り切らずに残っているからです。アトピーでなければほっといても自然に治ってしまうような皮膚炎が、良くなっても火種の様に消えずに残っているのです。そこへもってきて、アトピーは一見普通に見えても、全身、敏感肌です。ですから、かきっぱなしの汗や乾燥等により、容易に皮膚炎が悪化して元に戻ってしまうのです。このぶり返しを防ぐには、ステロイドで良くしても残っている皮膚炎を、タクロリムスで抑え再び勢いづかせないことです。
タクロリムスを塗る場所はまぶた、首回り、背中の上、肘の内側、膝の裏などです。つまり、今は調子が良くても過去に繰り返した所や、何も出来ていなくてもむずがゆくなったり癖で手が行く所なら、全身どこにでも塗れます。塗る頻度は2日に1回でも、週に1回でもかゆみやカサカサ等が出なければ結構です。もしもぶり返したら塗り方が足りなかったので、次からはタクロリムスを塗る範囲や回数を増やします。
同時に、保湿剤をそれ以外の何でも無いところにも塗って、全身の敏感肌を補正します。保湿剤はカサカサにではなく、何でもないところに塗ります。ステロイドは、タクロリムスを1日2回塗っても治らなかったら一時的に使う、おさえの薬として手元に控えておきます。
このようにアトピーを良くする鍵は、ステロイドで良くした後のタクロリムスの使い方にあります。
Q 薬は混ぜて容器に入ったのと、チューブとどちらがよいですか。
A 薬は本来はそのまま使えるようにできています。組み合わせによっては成分が変化することもあるので、混ぜたり薄めたりすることは好ましくなく、薄めても副作用は減りません(厚生労働省研究班、アトピー性皮膚炎のかゆみの解明と治療の標準化に関する研究)。日本のチューブは小さなものしか認められず、広範に塗りにくいという使い勝手の悪さがあります。そのため、混ぜれば容器に入れてもらえるため、混ぜて処方する実情があります。このように、薬の効果だけを考えるのならチューブから出して塗った方が治療ははかどりますが、塗らないチューブを持っていても良くならないので、私は患者さんが希望されれば混ぜて容器に入れた処方もしています。
Q ステロイドは何日塗れますか。
A ステロイドは、強いので何日以上は塗っていけないという治療薬ではありません。速やかに治る強さのステロイドを選び、べとべと気味に朝晩塗るのが基本です。ごわごわ感のあるしつこい湿疹は触って硬い感じがなくなるまで塗り続けることが必要で、子供でも2週間くらい強いステロイドを塗らないと消えないこともあります(厚生労働省研究班、アトピー性皮膚炎のかゆみの解明と治療の標準化に関する研究)。
このようにして良くなったら繰り返さないようにタクロ
Q 目の回りは、眼科用の薬ですか。まぶたの乾燥、赤み、くすみ、かゆみ、しわ、腫れ。
A まぶたも、タクロリムス軟膏で治します。刺激があるようなら、ステロイドやデルゴシチニブ軟膏で良くしてから、タクロリムス軟膏に変えます。これらの薬が、通常の使い方で目に影響することはありません。眼科用の軟膏は弱いステロイドで、皮膚が薄くなるなどの副作用を弱いながらも持っているためタクロリムスを使った方がメリットがあります。
Q 唇の乾燥にリップを使っています。唇にホクロがあります。
A 唇の乾燥や繰り返す口角炎もアトピーです。タクロリムスや、刺激があればステロイドで良くしてからタクロリムスに変えて良い状態を維持して下さい。このような炎症の結果ホクロのような色素沈着を唇にきたすことが知られており、保険適応はありませんがQスイッチルビーレーザーなどが有効です。
Q 乳首のジクジクが治らず、切れて痛みます。
A ほかの部位と同様にステロイドを塗って良くした後、
Q 首回りや肘の、色素沈着が消えません。
A アトピーでみられる黒ずみの原因は、治りきっていない皮膚炎です。そのため、タクロリムスを十分な量塗り続けると、何カ月もかかりますが徐々に本来の肌の色に戻っていきます。塗る量の目安は、首なら1日1回、チューブ1本が1~2週間で無くなる量です。色素沈着について、詳しくはこちら。
Q タクロリムスを塗ったら、熱くヒリヒリしてかゆみも増して使えませんでした。子供がかゆがって夜中に泣き、親も起こされ眠れませんでした。
A 多少でもザラザラ、カサカサしているところでは、タクロリムスを塗るとかゆみや火照りが激しく塗れないことがあります。塗るタイミングが早かったからで、ステロイドでもっと良くしてから、今度は10円玉大の狭い範囲から毎日少しずつ塗り広げてみてください。
ステロイドで良くしてつるっとさせたはずでも、長年ステロイドを塗り続けてきたところでは、タクロリムスの激しい刺激がいつまでも続くことがあります。このようなときは、ステロイドではない2020年から16歳以上に使えるようになったデルゴシチニブが有効です。デルゴシチニブの効果はタクロリムスとほぼ同じですが、使い始めのかゆみや火照りが無いのが特長です。デルゴシチニブをしばらく塗り、刺激が出なくなったらタクロリムスに戻して下さい。
2歳のお子さんが初めてタクロリムスを塗るときは、つるっとしたきれいな肌なのに、お風呂に入ると泣いたり、夜かゆみで起こされることがあります。今までステロイドしか塗ってこなかったため、正常に見えても潜在的に皮膚が荒れているためです。少しずつ狭い範囲から塗るなどして、タクロリムスを塗っても刺激の出ない健常な皮膚に戻す必要があります。
タクロリムスは薬の粒(分子量)が大きく、正常な皮膚からは吸収されません。かゆみや火照りなどの刺激がでるようなら、見た目がきれいでも穴が開いたよう状態で正常ではありません。
Q ステロイドを塗ると、茶色いシミが残り消えなくなりますか。日に当たってはいけない薬ですか。
A ステロイドに肌の色を茶色くさせる働きはなく、正常な皮膚に塗っても茶色くなることはありません。ところが、アトピーが完全に治っておらず、かゆみを感じない程度の弱い炎症が残っていると、首や肘の内側などの茶色味が何年経っても消えないように見えます。そのような茶色味はステロイドのせいのように思えるかもしれませんが、治りきっていないアトピーによる変化ですのでタクロリムスを塗ると半年から1年ぐらいかけて落ちていきます。
ステロイドには、日に当たって肌を茶色くさせる作用もありません。
厚生労働省研究班「アトピー性皮膚炎の既存治療法のEBMによる評価と有用な治療法の普及」一般向けQ&Aも、ご参照ください。
Q エステ、美容皮膚科で「施術を受けてよいか、アトピーがあるのでシミにならないか」、皮膚科に行って聞いてくるよう言われました。
A 美容サービスの購入は当事者間の契約であり、保険診療は関われないため、医師の指示であってもあいにくお答えいたしかねます。政府の通知を参考にされるなどして、患者さんご自身でご判断下さい。
美容医療サービスの消費者トラブル サービスを受ける前に確認したいポイント|総務省
確認してください!美容医療を受ける前にもう一度|厚生労働省
美容医療サービスに関する相談|国民生活センター
Blog:タクロリムス:20世紀の皮膚科3大発明の一つ