・医療用保湿剤をざ瘡治療薬と一緒に塗るよう他の医療機関で指導されていても、医療保険が適正と認めないため保湿剤は処方できません。
・ビタミン剤は、医療関連法規違反となるため食事のとれる人への処方はできません。
・当院で行っているのは、疾病としてのニキビの保険診療です。エステや美容医療についての質問は、消費者が事業者にお尋ねいただく性格のものであり、説明いたしかねますことをご理解ください。詳しくは、美容医療サービスに係るホームページ及び事前説明・同意に関する建議:内閣府をご覧ください。
ざ瘡治療薬を、できていない所にも塗る ニキビは顔や背中、胸にできる慢性の病気で、早いと小学生からみられます。原因は目に見えない毛穴のつまりで、赤いニキビやその前段階である白いニキビの回りにある毛穴は、既につまっています。このニキビ予備軍である、見えない毛穴のつまりを取り除く治療効果をもつのが、ざ瘡(ニキビ)治療薬と呼ばれる塗り薬です。この薬を顔全体に月1本のペースで何カ月も塗るのが、世界中で行われている皮膚科学的治療です。赤いニキビだけに塗っても効かず、まぶた以外の顔全体に塗ることに注意します。出ていないところにも塗らないと効きません。
ざ瘡治療薬を適切に使えば、手間と時間はかかりますが、大方のニキビは完全とは言えないまでも8割方良くなります。完璧に塗れなくても、続けていればみなさんそれなりに良くなっていますので、気楽に始めてみてはいかがでしょうか。
臨床試験の結果をみると効かないことはまずありませんので、ざ瘡治療薬が効かなかったという方は、ぶつぶつだけに塗っていないか、不要な保湿を良かれと誤解して同時に併用し薬の効果を妨げていないか、顔全体(手のひら2枚分の面積)に対して月1本の目安に照らし合わせて薄く塗っていないか確認して下さい。同じ薬でも、塗り方を正すだけで良くなる方が少なからずいらっしゃいます。
かさつき、すぐには消えず、止めると出てくる ところが、塗り薬は狭い範囲から塗り始めないとカサカサやヒリヒリといった刺激を伴いやすく、効果の実感には何か月もかかるため、使いこなせずに治療半ばで諦めてしまう方も少なくありません。茶色い跡も半年以上かかりますが、新しいニキビが減るにつれ消えていくにもかかわらず。ざ瘡治療薬を使って新しいニキビができなくなると、へこんだニキビ跡もできなくなります。
治るかどうかは、つまり、半年1年と塗り続けられるかどうかで決まります。全く効かないことはまずありませんので、2~3か月で効かなかったと決めつけるのは慌てすぎです。途中でやめても、思いたったらいつでも何度でも再び始められますし、同じ薬でも塗る範囲や量を変えるだけで治ることがあります。このようにして良くなっても、塗り止めると残念ながら再び毛穴が詰まりニキビが出てきます。良くなっても、手元の薬を絶やさないようにしてください。
化膿止めは、効かない菌ができるので最初の3か月まで 抗菌薬(化膿止め、抗生物質)は薬が効かない耐性菌ができるため、使えるのは最初の3か月までです(
国立国際医療研究センター)。耐性菌が原因の病気は、抗菌薬が効く菌に比べて死亡率が高まり、WHOは「行動しなければ明日は治せなくなる」と耐性菌対策の必要性を強調しています(
国立国際医療研究センター)。ニキビに使う抗菌薬にはミノマイシン、ビブラマイシンといった飲み薬や、デュアック配合ゲル、クリンダマイシンゲル、ナジフロキサシンクリーム、ゼビアックスローションといったつけ薬があり、2~3日時々使っても耐性菌はできますので最初の3か月以上原則使いません。ニキビの原因は菌ではなく毛穴のつまりです。毛穴のつまりに抗菌薬は効かず、ざ瘡治療薬で良くします。
保湿の同時併用を必要とせず、長期に塗り続けられる薬を選ぶ ざ瘡治療薬であるベピオ、ディフェリン(アダパレン)、エピデュオの選択については、どれが一番効くという性格の薬ではなく、原則保湿せずに長期に適切な量を塗り続けられるものを選びます。デュアックはベピオに化膿止め(抗生物質)が入ったもので、長期連用を想定しておらず、
耐性菌が出ないよう最長3か月を目安に使います。
最初は、ベピオが使いやすいと思います。薬を塗った時のかさつきは、ニキビの原因の毛穴のつまりを取り除く効果に従い、ベピオ、ディフェリン(アダパレン)、エピデュオの順にかさつきは強くなります。しかし、一番かさつくエピデュオが一番よく効き、保湿剤と重ねて塗るとすぐ治り、治った後止めても繰り返さないということは起こりません。エピデュオは脂っぽいティーンエイジャーや一部の男性を除いて、かさついて使いにくいことが多いように思えます。エピデュオに保湿剤を重ね塗りして治らないときに、保湿無しで使えるベピオに変えると良くなるのを経験します。逆に、ベピオを4か月使っても効果がはっきりしない時は、ディフェリン(アダパレン)やエピデュオへの変更を考えることがあります。
毛穴のつまりが原因ですので、ざ瘡治療薬を塗る以外にもたくさんのことをやれば、その分早くもっと良くなるということは特殊な例を除き基本的には起こりません。
薬の値段 3割負担の薬の値段はベピオ470円、アダパレン(後発品) 100円、エピデュオ 620円です。いずれも1本15gで、デュアックだけは1本10gで390円です。多少かさついても、薬代がかからない後発品であるアダパレンを選択される場合は、その旨お申し付けください。かさつき対策として、化粧の上から塗ってお風呂で流すshort contact therapyという方法があります。詳しくは医師にお尋ねください。
保湿の医学専門家の捉え方 保湿剤のニキビに対する有効性はなく、保険適用もありません
(日本皮膚科学会:尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン 2023)。保湿について医学専門家は、『ニキビに効果がないにもかかわらず正しい処置と信じ、むやみに保湿をしている患者が少なくない』と学術誌(日本皮膚科学会雑誌:128(8),1643-8,2018.
日本香粧品学会誌:40(1),12–9,2016.)を通して警鐘を鳴らしています。日本ざ瘡研究会のホームページにも、「
にきびは乾燥でできると思い込んでいる方がいますが、保湿剤にはにきびを治す働きはありません。必要以上に保湿剤を重ね塗りするのは避けましょう。天然由来のオイルなら大丈夫と思い込んでいる方もいますが、根拠はありません」と書かれています。国が認める薬の効果は、化粧水もクリームも同時に何も使わないときのものです。クリームがあると薬の有効成分はニキビに届きにくくなり、その分効果が落ちます。このため、クリームはかさつかない最小の量、できれば無しで治療します。医師からかさつき防止のために保湿するよう説明があっても、徐々にかさつかなくなることが多いのでクリームを減らすか止めると更にニキビは良くなります。ニキビは治療薬から有効成分を抜いた基剤だけでもある程度良くなりますので、クリームだけでもある程度良くなりますが、クリームと併用すると治療薬の効果は落ちます。朝のクリームや日焼け止めなどは治療に影響しません。化粧水の併用はかまわないとされています
*。
クリームは絶対に使ってはいけないのではなく、使う理由が何であれ同時に併用すればその分治療効果が落ちうることを知っておいて下さいということです。薬と化粧水やクリームの
塗る順番に決まりはなく、薬が先でも後でも結構です。自分の責任で使う市販薬やクリームがニキビによいとネットに書いてあるのと、医師が処方するざ瘡(ニキビ)治療薬が科学的に検証された治療効果をもっているというのは意味が違うことを、治療薬で良くされた方はご存知です。
ディフェリン
540円
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ベピオ
540円
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エピデュオ
720円
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デュアック
460円
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アダパレン(後発品)
230円
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Q 小学生や中学生でも、病院にかかった方がよいですか。未成年者の医療機関受診には、保護者の同伴が必要です。
A ニキビを病気と捉えることは大切とされています。理由の一つは、へこんだニキビ跡を残すと大変治りにくいためです。このような跡は小さなものを含めると日本人のニキビの9割の方にあり、跡を残さないためには医療機関におけるニキビ治療が有効とされています。なぜなら、へこんだニキビ跡の少ない人は治療開始が早く、薬は病院で出されたものを使っていたことが明らかにされているからです。もう一つは、ニキビによる精神的な負担は、回りの人が思っている以上に大きいためです。このような点より、「子供のニキビ」と軽視せず中学生や小学生を病院に連れていくことは大切です。
保護者向け 子どもの思春期ニキビ対策
まんが:「にきび」って、自分で治すんじゃないの? 日本ざ瘡研究会
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Q 胸や背中のニキビもみていますか。
A 胸や背中のニキビに、保険が認める塗り薬を使って治療しています。ただし、顔に比べて皮膚が厚いので薬の吸収が悪く、その分良くなるスピードがゆっくりで、塗る面積も広いため使う薬の量も顔の何倍も使います。男女問わず、中学生にも使えます。
皮膚科医泣かせの背中ニキビ
Q 赤いニキビに塗ったのに、新しく出てきて効きませんでした。
A 薬はニキビの無いところにも塗らないと、後からでてきます。それは、きれいなところにも、ニキビ予備軍の目に見えない毛穴のふさがりがあるからです。薬は、まぶた以外の顔全体に月1本のペースで塗ります。よくなってやめると、再び毛穴が詰まって3~4か月すると出てきますので、塗り続けることもポイントです。
Q ニキビ跡が消えません。
A 患者さんがニキビ跡と呼んでいるものには、茶色い跡、平らな赤い跡、へこんだ跡の3つがあります。茶色あるいは赤い跡は、半年から1年かけて自然と消えるのを待つのが基本です。いずれも満足される治療法はないため、ニキビ治療薬を普段から使って赤いニキビの出にくい状態を維持することが大切とされています(日本皮膚科学会雑誌130、2221-31、2020)。
【茶色い跡】茶色い跡は日焼けの跡と同じように自然と消えますが、半年から1年程度かかります。薬局で買うビタミンCの内服や、自由診療でビタミンCのイオントフォレーシスなどが行われていますが、予防に勝る治療はありません。いつまでも消えないように感じるのは、新たに赤いニキビができて次々と茶色くなるためで、もしも消えなかったら茶色い跡は増え続けるはずです。
【平らな赤い跡】茶色い跡より消えるのに時間がかかり、7~8か月から1年以上かかることもあります。一部の医療機関で、赤あざや傷跡の赤みに効果のあるレーザー照射が自由診療で試みられています。
【へこんだ跡】傷の治りを整えるレーザーや、ケミカルピーリングが行われています。レーザは、目に見えない位の小さな傷を作ってコラーゲンなどの細胞外基質の生成を促し効果を発揮します。ケミカルピーリングは肌を削って皮膚を入れかえる、若返り効果を狙ったものです。深目に削るときれいになりますが、東洋人では色が付いて取れなくなってしまうため通常深く削ることはしません。白人なら、色が残らずとてもきれいになります。
へこんだニキビ跡は小さなものを含めると、日本人のニキビの9割の方にあることが学術調査で分かっています。このようなニキビ跡を作りにくくするには、病院で処方される毛穴のつまりを取る作用をもつニキビ治療薬が有効とされています。へこんだニキビ跡の少ない人は治療を始めた年齢が早く、薬は病院で出されたものを使っていたことが明らかにされています。
Q アクアチムクリーム(ナジフロキサシン)やダラシンTゲル(クリンダマイシン)、ゼビアックスローションはざ瘡(ニキビ)治療薬ですか。
A これらの薬は赤く盛り上がった初期のニキビに使う化膿止め(抗生物質)で、ニキビの原因である毛穴のつまりを取る作用はありません。抗生物質単独の治療は推奨されず、ざ瘡治療薬と併用します。半年1年と長期に使い続けると化膿止めが効かない耐性菌がでてきて健康に良くないため(
厚生労働省:抗生物質・抗菌薬の正しい使い方)、ニキビ菌に効くが耐性菌を作らず毛穴のつまりも取るざ瘡治療薬ベピオゲルが活用されています。
Q 乾燥を保湿で予防する、医師の指導に従っていますが治りません。日焼け止めは塗れますか。
A 保湿をして治したいニキビだけにざ瘡治療薬を塗っている場合は、保湿を最小限に控えるかできるなら止め、治療薬をできていない部分にも塗る必要があります。保湿でニキビが改善することはなく、不要な保湿は医学的な根拠がなく避けるべきであり(美容の科学、日本コスメティック協会監修)、むやみに保湿をしている患者が少なくないと専門家は警鐘を鳴らしています(日本皮膚科学会雑誌:128(8),1643-8,2018)。国が認める薬の効果は、化粧水も保湿剤も薬と同時には使わないときのものです。クリームなどの上に治療薬を塗ると、薬の成分は肌に届きにくくなり効果が落ちることがあります。そもそも、ざ瘡治療薬とクリームなどを同時に塗った方が効くのなら、最初から薬にクリームなどが入っているはずです。医師から乾燥防止にクリームの併用を説明されていても、治療薬が効かない場合はかさつかない程度にクリームを減らか止めると治ることがよくあります。乾燥などの刺激は、塗っていると徐々に無くなることがほとんどです。
化粧水を先に塗ることについては、「かまわない」と許容されています。かさつくので下地を塗ると薬の効果が落ちて治らない場合は、次の項目「Q 薬を塗るとカサつきます」を参照下さい。治療薬は塗って20分で皮膚の細胞の中に入って作用しますので、20分以降に乳液など塗り重ねても効果を著しく損なうことはありません。朝は、普段通りのクリームなどを使った化粧ができますし、日焼け止めも使えます。
Q 薬を塗るとかさつきます。
A 乾燥やかさつきは少しづつ慣れていきますが、次のよう対処法があります。
① 一度に広範囲に塗らずに、狭い範囲から数日から2週間くらいかけて少しずつ塗り広げていく。
ざ瘡治療薬の鉄則で、最初から刺激無く広範囲に塗れる方は稀です。数日ざ瘡治療薬を塗らなかったときも、狭い範囲から塗り始めないとかさつきます。
② 入浴前に化粧の上から薬を塗って、お風呂で洗い流す。薬は塗って20分ほどで細胞に結合し効果を出すため、洗い流しても効果はそれほど落ちません。ショートコンタクトセラピーという方法です。
③ 一時的に下地に化粧水やクリームを使い、徐々に下地を減らし止める。下地を止められないようなら、④以降を確かめる。
④ 1日おきに塗ってみる。
⑤ より乾燥しにくい薬に変える。乾燥はエピデュオが一番出やすく、次がディフェリン、比較的マイルドなのがデュアックとベピオです。
⑥ 頬や口の回りがかさつくのは、クレンジングやクリームで無意識のうちに過剰に擦った結果、保湿成分を落としてしまっているサインです。毛穴の中の化粧を残さないように心がけると、勢い余って大切な皮膚の保湿成分まで取り去ってしまいます。ダブル洗顔も肌に負担をかけます。
⑦ アトピー性皮膚炎を治療中の方は、乾燥が激しく使いにくいことがありますので医師にご相談ください。
Q 3か月を目安に治療すると言われたのに、治りませんでした。
A ふくらんだニキビが減っていたり、新しく出るニキビが小さくなったり数が減っていたら、薬は効いています。平らになった赤や茶色いあとは、半年くらいかかって自然に消えます。消えない色素沈着ではありません。新しく赤いニキビができると、次から次へと茶色くなるので、いつまでたっても消えないように見えるだけです。盛り上がったニキビが出なくなれば、7~8か月後には綺麗になります。時間がかかるだけで、全く効かないということはまずありません。3か月かけて3~4本塗っても、まだ茶色味は消え切らず、小さく数が少なくなっても新しく出てきます。
より良い効果をお望みなら、一ランク上の薬への変更をお考えください。今お使いの薬がデュアックやベピオならディフェリンへ、ディフェリンならエピデュオへ変更します。変更すると乾燥や赤みが一時的に出ることがありますので、慎重に狭い範囲から薄く塗り始めます。
Q 薬を塗っているのに、あご(えらの部分・あご先)や 平らになった赤い跡が消えません。生理の時にいつまでも出てきます。
A いずれも治りにいくのですが、時間がかかるだけで良くなっていきますので、諦めずに半年、1年あるいはそれ以上続けると良いと思います。ヒリヒリや乾燥がなければ、より毛穴のふさがりを取る効果のあるものに、慎重に薄く2週間から1か月かけて徐々に変えられないか試してみるのも一つの手です。赤く平らになった跡は茶色いものより時間がかかり、7~8か月から1年以上かかることがあります。また、生理の前にあご先に出るニキビは、他の部分より3~4か月程度余計にかかることがあります。
Q ニキビのあとが、しこりになりました。
A あごや胸、背中のニキビの跡が、膨らんだ肥厚性瘢痕あるいはケロイドとして残ることがあります。できやすい部分は、あごのふちや肩、胸の真ん中とある程度決まっています。大切なのは、ざ瘡治療薬を続けて新しいにきびを出にくくすることで、出来た肥厚性瘢痕あるいはケロイドにはステロイドを注射したり、貼り薬、飲み薬を使い分けます。2週間以上間を空けて注射をするのが比較的確実ですが、小さくなければ貼り薬も時間と手間はかかりますが効きます。ざ瘡治療薬を続けているのに、ニキビができてしこってしまうタイプは、飲み薬が効くことがあります。
Q 薬は効きましたが、止めたらまた出てきました。
A ニキビが出なくなっても、塗り薬をやめると毛穴が再び詰まって、また出てきます。ニキビを出さないためには、治ってきれいになっても薬を塗り続けます。へこんだニキビ跡を作らないためにも、塗り続けることが大切です。
Q 薬は何本まで出してもらえますか。
A 初めて使う薬は1か月分程度(1~2本)、副作用無く効果が確認出来れば数か月分程度(顔なら4本程度)なら適正と認められるようです。1回の処方量を決めるのは医者ではなく、健康保険を運用する支払基金です。支払基金が不適正と判断した薬代は、保険組合から医療機関へ支払われません。
Q 飲み薬も出してもらえますか。
A ニキビの原因の毛穴のつまりに効果のある飲み薬はありませんが、化膿止めや漢方薬は出せます。ビタミン剤は、保険で出せません。化膿止めの飲み薬は、押すと痛く先が黄緑色の膿をもつ赤いぶつぶつに短期間使い、耐性菌が誘導されて病気になった時に薬が効かなくならないよう、半年1年と飲み続けることはしません。漢方薬はいくつか種類があり、化膿、しこり、月経異常などを指標に使い分けます。いずれも補助的に使い、治療の中心は塗り薬です。
Q 原因の毛穴の詰りは、なぜ起きるのですか。
A 毛穴の中の油がニキビ菌などの働きにより固まりやすくなり、毛穴を作る皮膚もアカとなって毛穴を狭くするためです。年齢に応じたホルモンの状態や、回りからのシグナルに対する毛穴や皮膚のその時々の反応のしやすさも影響しています。洗顔は1日2回石鹸を使いますが、それが足りないから毛穴が詰まったというわけではありません。
Q ホルモンのバランスが影響していますか。
A 無月経でもない限り、病的なホルモンのアンバランスが直接の原因となることは通常ありません。しかし、ニキビは生理前に悪くなるため、ホルモンが皮脂の量や成分、毛穴のふさがりに影響していると考えられます。このように、ホルモンはニキビの発症に関係していますので、できれば何とかしたいところです。実際のところ、ホルモンに対するニキビ治療は確立も保険診療の対象にもなっておらず当院では行っていませんが、ごく限られた専門家が自由診療で行っていますので受診をお考えの方は直接医師にご相談ください。
Q 食べてはいけないものはありますか。
A ニキビを悪化させる食べ物については、科学的に立証されたものはありません。しかし、チョコレートや甘い物、油っこいものを食べた後にニキビが出る人はいらっしゃいますので、患者さんが言う通りやっぱり食べ物とニキビは関係あるのだろう、と私は考えています。ですから、明らかにニキビが悪くなると感じる食べ物以外は、制限しなくても良いと思います。
Q 石鹸や洗顔料は、どのようなものを選んだらよいですか。
A 1日2回の石鹸や洗顔料を使った洗顔はニキビを良くしますが、ニキビ用と銘打ったり高価な商品が治療上必要あるいは望ましいということはありません。下記のような製品の使用感は優れていますが、参考とお考えください。
ビオレ アクネケア(花王) ビオレ マシュマロホイップアクネケア(花王) メンズビオレ アクネケア(花王) コラージュ(持田ヘルスケア) キュレル(花王) NOV(ノエビア) d プログラム(資生堂) アクセーヌ ラ ロッシュ ポゼ
Q お化粧はダメですか。
A 化粧をするしないが、ニキビが治る治らないを決めるわけではありません。使い慣れた化粧品を続けながら、皆さんニキビを良くしています。あえて言うなら、毛穴をふさぎにくい『ノンコメドジェニック』あるいは『ノンコメドジェニックテスト済』の製品をお選び下さい。複数の化粧品名ーカーから販売されていますが、飽くまでも好みの問題であり、高価なものが優れている訳ではないと個人的には思っています。
ソフィーナジェンヌ(花王) キュレル(花王) カネボウ NOV アクセーヌ 資生堂 ラロッシュポゼ
Q 宣伝している薬と病院の薬は違いますか(日本皮膚科学会のサイトへ移動)。
Q 保険の効かない治療はどうですか(日本皮膚科学会のサイトへ移動)。
A LEDや光線力学療法などは、人による効果のばらつきなどより保険収載されていません。自由診療は医師と患者の契約関係が保険診療と異なりますので、詳細は施術する医師にお尋ね下さい。
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