ディフェリン
540円
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ベピオ
540円
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エピデュオ
720円
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デュアック
460円
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アダパレン(後発品)
230円
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アゼライン酸
1,500円
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原因の毛穴の詰まり
Q 小学生や中学生でも、病院にかかった方がよいですか。
A ニキビを病気と捉えることは大切とされています。理由の一つは、へこんだニキビ跡を残すと大変治りにくいためです。このような跡は小さなものを含めると日本人のニキビの9割の方にあり、跡を残さないためには医療機関におけるニキビ治療が有効とされています。なぜなら、へこんだニキビ跡の少ない人は治療開始が早く、薬は病院で出されたものを使っていたことが明らかにされているからです。もう一つは、ニキビによる精神的な負担は、回りの人が思っている以上に大きいためです。このような点より、「子供のニキビ」と軽視せず中学生や小学生を病院に連れていくことは大切です。
保護者向け 子どもの思春期ニキビ対策
Q 胸や背中のニキビもみていますか。
A 胸や背中のニキビに、保険が認める塗り薬を使って治療しています。ただし、顔に比べて皮膚が厚いので薬の吸収が悪く、その分良くなるスピードがゆっくりで、塗る面積も広いため使う薬の量も顔の何倍も使います。男女問わず、中学生にも使えます。
皮膚科医泣かせの背中ニキビ
Q 赤いニキビに塗ったのに、新しく出てきて効きませんでした。
A 薬はニキビの無いところにも塗らないと、後からでてきます。それは、きれいなところにも、ニキビ予備軍の目に見えない毛穴のふさがりがあるからです。薬は、まぶた以外の顔全体に塗ります。よくなってやめると、再び毛穴が詰まって3~4か月すると出てきますので、塗り続けることもポイントです。
Q ニキビ跡が消えません。
A 患者さんがニキビ跡と呼んでいるものには、茶色い跡、平らな赤い跡、へこんだ跡の3つがあります。いずれも満足される治療法はないため、ニキビ治療薬を普段から使って赤いニキビの出にくい状態を維持することが大切とされています(日本皮膚科学会雑誌130、2221-31、2020)。
【茶色い跡】茶色い跡は日焼けの跡と同じように自然と消えますが、半年から1年程度かかります。最良の解決策は、新たな赤いニキビが出にくい状態をニキビ治療薬を使って作ることです。ビタミンCの内服や、自由診療でビタミンCのイオントフォレーシスなどが行われていますが、予防に勝る治療はありません。いつまでも消えないように感じるのは、新たに赤いニキビができて次々と茶色くなるためです。もしも消えなかったら、茶色い跡は増え続けるはずです。
【平らな赤い跡】茶色い跡より消えるのに時間がかかり、7~8か月から1年以上かかることもあります。ビタミンCのローションがある程度効果があり、当院では
ロート製薬の高濃度ピュアビタミンC(3,000円、顔全体に1日2回塗って1か月分)をご用意しています。ビタミンCのローションは治療薬ではなくご自分の責任で使う化粧品ですので、初回は購入の意思を医師にお伝えください。一部の医療機関で、赤あざや傷跡の赤みに効果のあるレーザー照射が自由診療で試みられています。ニキビ治療薬を使って新たな赤いニキビを作らなければ、時間がかかっても自然に消えます。
【へこんだ跡】傷の治りを整えるレーザーや、ケミカルピーリングが行われています。レーザは、目に見えない位の小さな傷を作ってコラーゲンなどの細胞外基質の生成を促し効果を発揮します。ケミカルピーリングは肌を削って皮膚を入れかえる、若返り効果を狙ったものです。深目に削るときれいになりますが、東洋人では色が付いて取れなくなってしまうため通常深く削ることはしません。白人なら、色が残らずとてもきれいになります。
へこんだニキビ跡は小さなものを含めると、日本人のニキビの9割の方にあることが学術調査で分かっています。このようなニキビ跡を作りにくくするには、病院で処方される毛穴のつまりを取る作用をもつニキビ治療薬が有効とされています。実際にへこんだニキビ跡の少ない人は治療を始めた年齢が早く、薬は病院で出されたものを使っていたことが明らかにされています。
Q アクアチムクリーム(ナジフロキサシン)やダラシンTゲル(クリンダマイシン)、ゼビアックスローションはざ瘡(ニキビ)治療薬ですか。
A これらの薬は赤く盛り上がった初期のニキビに使う化膿止め(抗生物質)で、ニキビの原因である毛穴のつまりを取る作用はありません。抗生物質単独の治療は推奨されず、ざ瘡治療薬と併用します。長期に使うと化膿止めが効かない耐性菌がでてきて健康に良くないため(
厚生労働省:抗生物質・抗菌薬の正しい使い方)、ニキビ菌に効くが耐性菌を作らず毛穴のつまりも取るざ瘡治療薬ベピオゲルが活用されています。
Q 保湿しているのに治りません。化粧水はいつ塗ったらいいでですか。
A 保湿でニキビが改善することはなく、不要な保湿は医学的な根拠がなく避けるべきであり(美容の科学、日本コスメティック協会監修)、むやみに保湿をしている患者が少なくないと専門家は警鐘を鳴らしています(日本皮膚科学会雑誌:128(8),1643-8,2018)。下地に化粧水や保湿剤を塗ると、その上に塗った治療薬は肌に届きにくくなるため効きが悪くなります。ニキビ治療薬と化粧水や保湿クリームを同時に重ね塗りするのは、ニキビ治療薬でかさつく時だけにしてみてください。治療薬は塗って20分で皮膚の細胞の中に入って作用しますので、治療薬を塗って20分以降に化粧水や乳液を塗り加えるのは影響はありません。夜はざ瘡治療薬、朝は保湿クリームを塗るのも治療効果を落としません。ざ瘡治療薬と化粧水や保湿クリームを同時に塗った方が効くのなら、最初から薬に化粧水などが入っているはずです。
同時に塗る保湿クリームを減らせれば、その分ニキビ治療薬の有効成分は、肌に届きやすくなり治療効果は上がります。保湿が必要と感じる乾燥の原因は『こすり過ぎ』と、香粧品の専門家は指摘してきました。毛穴の中の化粧を取り除こうとするなどして、無意識のうちにクレンジングが過剰となり、クリームをなじませようとこするたびに角層の保湿成分は失われていきます。突っ張ったら、落としすぎて敏感肌になっています。それから保湿しても、元には戻りません。乾燥は皮膚の薄いまぶたや、こすり易い頬や口の回りに出やすく、化粧をしない学生や男性からの訴えはないか、あっても一過性です。スキンケアが不十分なのではなく、皿洗いの後に起こる手荒れと同じように、乾燥肌を顔に作っているのです。
Q 薬を塗るとかさつきます。
A 乾燥やかさつきは少しづつ慣れていきますが、次のよう対処法があります。
① 一度に広範囲に塗らずに、狭い範囲から数日から2週間くらいかけて少しずつ塗り広げていく。
② 入浴前に化粧の上から薬を塗って、お風呂で洗い流す。薬は塗って10分ほどで細胞に結合し効果を出すため、洗い流しても効果は落ちません。ショートコンタクトセラピーという方法です。
③ より乾燥しにくい薬に変える。乾燥はエピデュオが一番出やすく、次がディフェリン、比較的マイルドなのがデュアックとベピオです。これより刺激が少ない薬にアゼライン酸(
ロート製薬 DRX AZAクリア)がありますが、保険が効かないため1本15gを1,500円で院内で販売しています。
④ クレンジングのし過ぎはありませんか。毛穴の中の化粧を残さないように心がけると、勢い余って大切な皮膚の保湿成分まで取り去ってしまいます。口の回りのかさつきや洗顔後のつっぱりは洗い過ぎのサインで、そのような時のダブル洗顔は肌に負担をかけます。
Q 3か月を目安に治療すると言われたのに、治りませんでした。
A ふくらんだニキビが減っていたり、新しく出るニキビが小さくなったり数が減っていたら、薬は効いています。平らになった赤や茶色いあとは、半年くらいかかって自然に消えます。消えない色素沈着ではありません。新しく赤いニキビができると、次から次へと茶色くなるので、いつまでたっても消えないように見えるだけです。盛り上がったニキビが出なくなれば、7~8か月後には綺麗になります。時間がかかるだけで、全く効かないということはまずありません。3か月かけて3~4本塗っても、まだ茶色味は消え切らず、小さく数が少なくなっても新しく出てきます。
より良い効果をお望みなら、一ランク上の薬への変更をお考えください。今お使いの薬がデュアックやベピオならディフェリンへ、ディフェリンならエピデュオへ変更します。変更すると乾燥や赤みが一時的に出ることがありますので、慎重に狭い範囲から薄く塗り始めます。
Q 薬を塗っているのに、あご(えらの部分・あご先)や 平らになった赤い跡が消えません。生理の時にいつまでも出てきます。
A いずれも治りにいくのですが、時間がかかるだけで良くなっていきますので、諦めずに半年、1年あるいはそれ以上続けると良いと思います。ヒリヒリや乾燥がなければ、より毛穴のふさがりを取る効果のあるものに、慎重に薄く2週間から1か月かけて徐々に変えられないか試してみるのも一つの手です。赤く平らになった跡は茶色いものより時間がかかり、7~8か月から1年以上かかることがあります。また、生理の前にあご先に出るニキビは、他の部分より3~4か月程度余計にかかることがあります。
Q 薬は効きましたが、止めたらまた出てきました。
A ニキビが出なくなっても、塗り薬をやめると毛穴が再び詰まって、また出てきます。ニキビを出さないためには、治ってきれいになっても薬を塗り続けます。へこんだニキビ跡を作らないためにも、塗り続けることが大切です。
Q 薬は何本まで出してもらえますか。
A 初めて使う薬は1か月分程度(1~2本)、副作用無く効果が確認出来れば数か月分程度(顔なら4本程度)なら適正と認められるようです。1回の処方量を決めるのは医者ではなく、健康保険を運用する支払基金です。支払基金が不適正と判断した薬代は、保険組合から医療機関へ支払われません。
Q 原因の毛穴の詰りは、なぜ起きるのですか。
A 毛穴の中の油がニキビ菌などの働きにより固まりやすくなり、毛穴を作る皮膚もアカとなって毛穴を狭くするためです。年齢に応じたホルモンの状態や、回りからのシグナルに対する毛穴や皮膚のその時々の反応のしやすさも影響しています。洗顔は1日2回石鹸を使いますが、それが足りないから毛穴が詰まったというわけではありません。
Q ホルモンのバランスが影響していますか。
A 無月経でもない限り、病的なホルモンのアンバランスが直接の原因となることは通常ありません。しかし、ニキビは生理前に悪くなるため、ホルモンが皮脂の量や成分、毛穴のふさがりに影響していると考えられます。このように、ホルモンはニキビの発症に関係していますので、できれば何とかしたいところです。実際のところ、ホルモンに対するニキビ治療は確立も保険診療の対象にもなっておらず当院では行っていませんが、ごく限られた専門家が自由診療で行っていますので受診をお考えの方は直接医師にご相談ください。
Q 食べてはいけないものはありますか。
A ニキビを悪化させる食べ物については、科学的に立証されたものはありません。しかし、チョコレートや甘い物、油っこいものを食べた後にニキビが出る人はいらっしゃいますので、患者さんが言う通りやっぱり食べ物とニキビは関係あるのだろう、と私は考えています。ですから、明らかにニキビが悪くなると感じる食べ物以外は、制限しなくても良いと思います。
Q 石鹸は、どのようなものを使ったらよいですか。
A 1日2回の石鹸を使った洗顔はニキビを良くしますが、特別な石鹸は必要ありません。下記のような製品の使用感は優れていますが、参考とお考えください。
ビオレ アクネケア(花王) メンズビオレ アクネケア(花王) コラージュ(持田ヘルスケア) キュレル(花王) NOV(ノエビア) d プログラム(資生堂) アクセーヌ ラ ロッシュ ポゼ
Q お化粧はダメですか。
A 化粧をするしないが、ニキビが治る治らないを決めるわけではありません。使い慣れた化粧品を続けながら、皆さんニキビを良くしています。あえて言うなら、毛穴をふさぎにくい『ノンコメドジェニック』あるいは『ノンコメドジェニックテスト済』の製品をお選び下さい。複数の化粧品名ーカーから販売されていますが、飽くまでも好みの問題であり、高価なものが優れている訳ではないと個人的には思っています。
ソフィーナジェンヌ(花王) キュレル(花王) カネボウ NOV アクセーヌ 資生堂 ラロッシュポゼ
Q 化粧とニキビの薬を塗る順番は?
A 薬の有効成分が皮膚によく届くため、治療薬と同時に化粧水やクリームは塗らない方が治療ははかどります。素肌に直接、ざ瘡治療薬を塗ってみてください。ざ瘡治療薬は20分ほどで皮膚に浸透し洗っても落ちませんので、例えば入浴前にざ瘡治療薬を塗ってお風呂で洗い流し、その後化粧水やクリーム塗るのは治療に影響しません。下地にクリームを塗るのは乾燥する薬の塗り始めだけにして、慣れてきてできるようなら止めた方が治りは良くなります。
Q 宣伝している薬と病院の薬は違いますか(日本皮膚科学会のサイトへ移動)。
Q 保険の効かない治療はどうですか(日本皮膚科学会のサイトへ移動)。
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