※一般の携帯からは携帯サイトが、スマートフォンからは、スマートフォンサイトが閲覧可能です。
水虫
顕微鏡検査で見つかった水虫菌
水虫はカビが原因ですので、顕微鏡を使ってカビがいないか検査します。かゆいかゆくないは水虫と判断する基準にはならず、カビの有無により水虫か否かが決まります。皮膚科学会で写真を見せて、どれが水虫でしょうと手を上げさせたことがありますが、顕微鏡検査の結果をみないと皮膚科医でも見ただけでは診断できませんでした。
日本人の5人に1人は水虫であると明らかにした学術調査は、知らずに水虫の人も、逆に水虫と思っていたが水虫ではない人もいるとし、水虫の診断の大切さを指摘しています。水虫は不潔にしていたことが原因ではなく、恥ずかしいと思うような落ち度があってなるわけではありません。
水虫は治る病気です。ただし、顕微鏡の検査で原因のカビがいると確認され、足の裏全体に薄からず塗り薬を毎日1か月塗ったらの話です。一旦治っても、再感染に注意します。ゴルフ場やジムでお風呂に入ると上がり場で水虫菌がつくことがありますので、帰ってから足についたかもしれない水虫菌を洗い流します。
出された塗り薬を、指の間だけに塗っていませんか。症状の無い部分にもカビはいるため、塗り薬を両足の広い範囲に塗って根治させます。治療を始めれば他人へ感染しなくなりますし、カビがいなくなれば再感染しない限り再発はしません。
このように、水虫はかゆかったり皮がむけたところに、薬を気長に塗っていれば治るといたものではありません。かゆみや水ぶくれ、イコール水虫ではないからです。さらには、顕微鏡検査で水虫菌がみつかっても、目に見えない水虫菌はきれいな部分にもいる可能性があります。治療には複数のステップをクリアしなければならず、「水虫を治せたらノーベル賞」と揶揄する背景には、病気の成り立ちが正しく知れ渡っていない実情があります。
皮膚科医は毎日水虫をみており、顕微鏡を覗いてその場でカビがいるかどうか確認しています。水虫を治しておくことは、糖尿病のフットケアとしても大切とされています。
Q 水虫薬を足のかゆみに塗ったら、かえって悪化しました。
A 悪化には、2つの理由が考えられます。一つは、ジクジクした所に塗ったために、薬が刺激した場合です。もう一つは、症状は水虫に似ていたが、水虫菌はおらず湿疹などであった場合です。塗っても治らなかったり、水虫菌の顕微鏡検査を受けていない場合は皮膚科受診をお考え下さい。
Q 菌がいると言われたのに、治りません。
A 治療のゴールは、原因のカビをゼロにすることです。カビはきれいなところにもいますので、両足の広い範囲に適量を、皮膚が入れ替わる1~2か月薬を塗る必要があります。また、水虫とは別に湿疹などがあると、塗っても治らないように思えることがあります。皮膚が硬くなるタイプの水虫に、塗り薬がよく効かない場合は飲み薬を考えます。
Q 家族にうつりますか。
A 塗り薬を塗り始めれば、他人へ感染しなくなります。
Q どこで、うつったのですか。治せば、二度となりませんか。
A 不特定多数の人が素足になる場所には、水虫菌が落ちています。スーパー銭湯などの公衆浴場や温泉、ジムのロッカールームなどがそうで、そこで素足になれば水虫菌が皮膚の表面にくっつきます。家に帰ってきて、もう一度流水で付いたであろうカビを洗い流せばよいのですが、そのまま寝てしまうと皮膚の中に入り込んで繁殖し水虫になります。ゴルフのプレー後、ゴルフ場でお風呂に入ったときも同様です。公衆浴場の脱衣室のマットを調べると、ほぼ100%水虫菌がいます。
一度治しても、そういうところに行って水虫菌がつくと、再びなることがあります。
Q いつ、うつったのですか。
A 5人に1人の足に水虫菌がいますので,人が靴を脱ぐ場所には水虫菌が落ちています。そのような場所で水虫菌がうつっても、すぐにはかゆみなどの症状は出ませんので、感染した場所や時期の特定は容易ではありません。水虫菌が落ちているような所に行って菌が付いたとしても、その日のうちに洗い流せば水虫にはなりません。
Q 水虫は、念入りに洗えば治りますか。
A 皮膚の表面の角質内に寄生し繁殖した水虫菌は、もはや洗ってもとれません。薬を使ってカビを退治します。
Q 長年の水虫は飲み薬で治りますか。
A 長年放置していても、薬が効きにくかったり治りにくいといったことはなく、塗り薬で治せます。特殊なタイプとして、皮膚の表面が厚く硬くなる水虫は飲み薬の方が有利とされています。
Q 治しても、夏になると繰り返します。
A いくつかの理由が考えられます。薬を塗る範囲や量、期間が不十分だと、きれいになっても目に見えないカビが残っていて、夏になるとかゆみなどの症状が再発することがあります。また、完治しても、再びカビが感染する場合もあります。銭湯など、カビが落ちている場所に行く機会はないですか。あるいは、爪水虫があり、皮膚が治っても爪からカビが這い出てきて再発することもあります。
Q 女性は水虫になりにくいですか(日本皮膚科学会のサイトへ移動)。
Q 水虫になりにくい靴の手入れを教えてください(日本皮膚科学会のサイトへ移動)。
Q 糖尿病があると、なぜ水虫を治しておいた方が良いのですか。
A 糖尿病では血管が詰まりやすく、血の巡りが悪くなっています。感覚も鈍いため細かい傷が出来やすく、出来た傷は治りにくく更に細菌も感染しやすくなっています。このような足に水虫があると、傷や細菌感染を起こりしやすい状態に追い打ちをかけてしまうからです。
爪水虫
爪は皮膚の一部ですので、水虫が爪にうつることがあります。顕微鏡検査で爪に水虫のカビがいることが分かれば、爪への浸透の良い爪専用の塗り薬や飲み薬を使って治します。爪の生え替わりには時間がかかりますので、治療も長期にわたります。水虫が感染した白く濁った爪は先に向かって伸び、根本で作られた新しい爪と入れ替わり治りますので、薬を塗り2~3か月すると根本の方から良くなってくるのが分かります。足の爪は伸びるのに時間がかかりますので治るまで1年から1年半、指の爪は半年を一つの目安に治療します。いつまでも治る様子がはっきりしない時には、厚くなった爪を削ったり薬を変えたりしてみます。
Q 爪専用の塗り薬と飲み薬はどちらが効きますか。
A 飲み薬の方が効きますが、爪専用の塗り薬でも十分良くなります。 塗り薬は体の負担を心配する必要がないのが特長で、治るまで平均1年、早いと半年長いと2~3年かかります。3割負担で約1,000円と1,800円の2種類あり、高い方が僅かですが効きが優れています。塗る爪の数にもよりますが、1本で1か月前後もちます。
飲み薬は3種類、良くなりきるまで1日1回毎日飲むタイプ(ジェネリック、6か月で約3,000円)、1週間飲むのを1か月に1回3回繰り返すタイプ(ジェネリック、3回繰り返して約5,000円)、12週間毎日飲む最新のタイプ(12週で約2万円)があります。12週飲む最新の薬は殆どの人が良くなり、1年後に完全に治る人が6割、6割以上良くなる人が3割です。3か月飲むと、その後も薬が爪の中に残っていて効果が持続します。この3か月飲むタイプが一番早く良く治りますが、毎日飲むジェネリックの飲み薬でも多くの方が良くなります。
まず爪専用の塗り薬を半年から1年塗ってみて、満足する効果を感じられなければ飲み薬に変えることもできます。治っても銭湯、ジム、ゴルフプレー後の入浴で再感染することがあります。
▲Topヘ
格闘技でうつるたむし トリコフィトン・トンズランス
柔道、レスリング、すもうなどの格闘技選手がなるたむしがあります。原因は水虫と同属のカビ(トリコフィトン・トンズランス)で、頭などの相手とこすれるところにフケや赤いカサカサができます。肌から肌へうつりますので、病院の検査でカビが見つかったら、薬を1か月半飲んで治します。フケやアカ、髪の毛にカビがいるかどうかを顕微鏡で調べる検査結果はその場で分かりますし、カビの種類を特定したり無症状の頭にカビがいないか調べる検査は1か月ほどかかります。
原因のカビの特徴は感染力の強さと、うつっても無症状のことがあることです。このため、カビが見つかった回りの人は、無症状でも検査をしておくのが望ましいとされています。うつっていないかは、病院で頭を綿棒でこする検査をして調べます。予防として、ヘアブラシ、タオル、シャツを共用しないこと、練習が終わったら早めにシャワーを浴びること、練習着はよく洗濯することが大切です。
原因のカビはもともとは日本にいませんでしたが、海外の試合で強豪選手に気づかずにうつり、国内に持ち込まれて練習試合などで広がったと考えられています。
▲Topヘ