【症状】 口や腰の回り、性器などに針でつつかれたようなチクチクした小さな水疱を、同じ場所に繰り返します。風邪や疲れた時に出やすい方も、普通にしていても出る方もいらっしゃいます。繰り返す頻度も人により様々で、毎月の方も数年に一度の方もいらっしゃいます。
【原因】 痛い水疱を繰り返すのは単純ヘルペスウイルスのしわざで、神経の根本にいるウイルスが増え神経を伝わって皮膚に流れ出て発症します。単純ヘルペスウイルスは感染する様な事をした覚えも無いのに、それまで症状が出たことも無いのに、知らないうちに感染し持っていることが殆どです。知らないだけで何割かの方はウイルスを持っており、その割合は年齢が進むにしたがい増え高齢者では7割に達します。
ウイルスを持っているからといって、頻繁に再発するからといって、抵抗力の無い病気にかかりやすい体質ではありません。帯状疱疹と似ていますが、別の病気です。
【単純ヘルペスかどうかの判断・診断】 皮膚科に精通した医師は、診察した時の発疹の性状より診断しています。症状から単純ヘルペスかどうかはっきりしない場合は、水疱があれば、それを擦ってウイルスがいるかどうか調べる検査が役立ちます。血液検査で、症状が単純ヘルペスかどうかを明らかにはできません。
【薬・治療】 放っておいても1週間ほどでかさぶたになって治りますが、ウイルスの増殖を抑える薬を飲むと軽く済みます。ただし、薬は増え始めたウイルスを飲んだその時だけ抑えるだけで、根こそぎ無くすことはできません。そのため、薬を飲んでもそれまで通り再発します。飲み薬は長年、世界中で使われ安全性は高く、健康な方に実害が出ることはまずありません。抗ウイルス剤の塗り薬は手軽ですが効果を実感できることは少なく、神経の根元まで到達する飲み薬の方がよく効きます。飲み薬は早めに飲むと再発ごとの症状をほぼ抑えられ、ヘルペスを感じたらすぐ飲めるよう次の分を処方できます。薬は持ち歩き、出そうと感じたらすぐに飲めば、皮疹はほとんど出ずに済みます(処方するには繰り返した症状が単純ヘルペスに間違いないとする医師の判断が必要です)。また、性器ヘルペスを毎月のように繰り返す場合は、毎日薬を飲んで症状を抑えることができます。
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