京急蒲田駅直結の皮膚科、たけうち皮フ科クリニック

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円形脱毛症・AGA

円形脱毛症

 毛穴には毛が生えたり抜けたりを繰り返す毛周期があり、円形脱毛症は毛周期が抜けた状態でそろって止まった状態です。毛穴は壊れておらず自然となる傾向があるため、治療を受けなくても殆どの場合元に戻ります。治療は毛穴の回りに集まった炎症細胞を正常化する穏やかな薬を飲んだり塗ったりしますが、治ったと感じるのに半年から1年くらいかかります。

 日本円形脱毛症コミュニケーション
 日本円形脱毛症を考える会


Q ストレスが原因ですか。
A ストレスは全く関係していないわけではありませんが、直接原因に関わる病気ではありません。

Q どのようにして治しますか。
A 抜け易い部分にステロイドや血行を良くする薬を塗り、飲み薬は植物から成分を抽出した錠剤や、アトピーがあると抗アレルギー薬が良く効くことがあります。毛穴周囲の環境の正常化を目的に軽く冷やすのも、気軽に出来る治療法です。
 毛根に対する一種のアレルギー反応ですので、発症に関わる炎症細胞を正常化させる光線療法が有効です。当てる光は紫外線で、治療に必要な波長だけをだす赤い日焼けを起こしにくい医療用機器を使います。費用は3割負担で広さに関わらず1回約1000円で、週1~3回程度の頻度で照射します。
 稀ながら広範囲に及びなかなか生えてこない場合は、内服JAK阻害薬(バリシチニブ)が有効です。この薬は当院で方しておらず、近隣の医療機関をご紹介しています。その他、かぶれる薬を薄めて塗ったり、ステロイドを毛の抜けた部分に注射する治療法もあります。

Q 治るまで、どのくらいかかりますか。
A 手で触って治ってきたと感じるまでには意外と時間がかかり、数か月から1年以上かかることも稀ではありません。毛穴は壊れていませんので、必ず生えてきます。触って毛が生えてないように感じても、よく見ると細く短い毛が毛穴から生えており、その後徐々に太く長くなります。最初は白い毛が生えてくることもあります。
 

壮年性脱毛・AGA

 薄毛の原因は毛穴が出す酵素にあり、この酵素の働きにより毛穴で男性ホルモンが変化し髪の毛が細く短くなり薄毛となります。治療薬は、この酵素をブロックして効果を発揮し、男性ホルモンを減らすことはありません。健康を損ねる病気ではないため(薄毛を気にする風習は東洋だけで、西洋にはないそうです)、保険が適用されない自由診療です。当院がご用意しているフィナステリド(ジェネリック)の価格は28錠1箱入りで4,000円、デュタステリド(ジェネリック)は30錠入りが7,000円で、いずれも1日1回1錠内服します。
 増毛効果はデュタステリドがフィナステリドに勝り、それは原因の酵素をブロックする働きがデュタステリドの方がより強いからです。薬を飲み始めてから効果を自覚するまでの期間は、フィナステリドは6か月以上かかりますが、デュタステリドは早いと3か月です。内服6か月後の太い毛の数も、デュタステリドの方がフィナステリドより秀でています。飲み続けると、薬はもっと効いてきます。つまり、フィナステリド内服1年後の増毛効果は58%ですが、2年で68%、3年78%と増えていきます。3年内服した時点で20%の方の進行が停止しますが、AGAは治療しないと進行し続けますので、進行停止は効果ありと判断されます。したがって、増毛した78%と合わせるとほとんどの方に効果が現れることになります。さらに、フィナスナステリドで増えなくても、デュタステリドに替えるとその77%に増毛効果が認められます。効果は、頭のてっぺんにも額にも現れます。
 薬はゆっくり効き自覚しずらいので、スマホで写真を撮っておくと数か月前より良くなっている様子が分かります。
 フィナステリドとデュタステリドの使い分けに関しては、最初はフィナステリドで始め、満足いく効果が得られなければデュタステリドに変更するのでも、最初からデュタステリドを飲まれるのでも、どちらもお選び頂けます。いずれの薬も、「もう治った」、あるいは「進行しなくなったが、抜ける前の状態に戻らないから薬を飲む意味は無い。」と誤解して薬を止めてしまうと、抑えられていた酵素が再び働き脱毛の進行が再開します。
 増毛以外には、気持ちが前向きになる効果が期待されています。薬を飲んだある皮膚科医は、増毛効果により生活の質が改善したと話しています。また、増毛効果が科学的に検証されているミノキシジル(リアップ等)と併用すれば、更なる効果が期待できます。
 注意することは、前立腺癌になったときに数字が上がる血液検査が、飲み薬を飲んでいると前立腺癌になっても上がらないことです。このため、人間ドックなどで前立腺癌の血液検査をする際には、事前に薬を飲んでいることを伝える必要があります。薬を飲んで、前立腺癌になりやすくなることはありません。また、内服中に献血は出来ません。それは、胎児に悪影響を及ぼすからで、妊娠可能な女性に薬の入った血液が輸血されるのを防ぐためです。

Q 男性型脱毛症の治療はどうしますか。 クリックすると日本皮膚科学会のサイトに移動

Q どのようなメカニズムで、薄毛になるのですか。
A 毛が毛穴から生えたり抜けたりを繰り返すヘアーサイクル(毛周期)が早くなり、長く太くなる前に抜けてしまうため毛のミニチュア化が起こり、薄毛になったと感じられます。毛周期が早くなるのは毛穴にヘアーサイクルを乱す酵素が作られるようになるためで、この酵素は頭のてっぺんや額の生え際の毛穴が作りやすく、後ろ髪の毛穴は作りません。このため、同じ頭の毛でも薄くなりやすいところと、そうでないところがあります。

Q 薬を飲み始めると、何ヶ月くらいで効きますか。
A 効果が自分で分かるようになるまで、フィナステリドは最低半年、デュタステリドは3か月程最低でもかかります。その後は、徐々に効果がはっきりしてきます。薬を飲む前と比べて薄毛が進行しなくなったら、薬は効いています。

Q 良くなったので、薬を止めようと思います。
A AGAは進行し続ける性格がありますので、薬を止めるとそこから再び進行が始まります。